変わりゆく経営環境と、避けられない選択

日本のものづくりを支えてきた中小製造業は現在、かつてない厳しい状況に直面しています。中でも人口減少と高齢化がもたらす人材不足は、企業の存続そのものを揺るがす構造的な危機であり、中小企業全体の問題として年々深刻化しています。arikawaもこの問題に直面し、これまでの製造体制に限界が見えはじめていました。

さらに、創業から65年以上に渡り培われたarikawaの金型設計と金属プレス加工の技術も、次世代への継承の大きな壁に直面していました。熟練工の高齢化が進む中、若手人材の採用は困難を極め、属人化した工程がボトルネックとなりつつありました。「このままでは、技術が継承できず、企業の存続が危うい」——。切実な声が、社内各所で聞かれるようになっていたのです。

働き方の価値観が変わる中でのジレンマ

働き方に対する価値観も劇的に変化を見せています。従来のような終身雇用や長時間労働、上下関係の厳しいヒエラルキーは、これまで以上に若者を遠ざける傾向にあります。若い世代は、自分の時間を大切にしながら、やりがいや自己成長を重視した働き方を求めています。

arikawaにとっても、働き方の価値観の変化は無視できない現実です。旧来の職場環境では、優秀な若手を惹きつけることはできない。経営層も危機感を強く持ち始めていました。

業界全体でも、後継者難が深刻化しており、事業そのものの将来性に不安を抱く若手が増えています。「技術を継承したいが環境に魅力を感じない」そのようなミスマッチが起きていたのです。arikawaでも、次世代につながる持続可能な組織体制の構築が喫緊の課題と認識されるようになりました。

現状維持はリスク、変化こそが成長の鍵

「今のままでは先細りする」社内の各所から上がる切実な声が、変革への大きなきっかけとなりました。表面的には安定しているように見える会社でも、競争環境は絶えず動いています。業界の常識が覆され、新興企業が次々に新しい手法を導入する中、現状に甘んじることは後退を意味していました。

変わることを恐れるのではなく、変わらないことのリスクを直視しなければならない。そんな覚悟が、会社全体に芽生え始めました。変革のきっかけとして浮かび上がったのが、自動化の選択肢でした。

自動化が示した可能性——未来のものづくりのビジョン

自動化に際してarikawaが行った事は、単に手作業を機械に置き換えるというものではありませんでした。描いたのは、次のような理想です。

  • 増加する注文に対応できる、24時間に近い稼働体制の実現

  • 単純作業の削減によって、従業員が創造的な業務に注力できる環境

  • 若手でも成果を出しやすい、標準化された作業プロセス

  • 残業を前提としない、働きやすく魅力的な職場

  • チャレンジが尊ばれる企業文化、試行錯誤を価値とみなす社風

こうした将来像を実現するには、技術導入はゴールではなく、組織の質を高めるための足がかりでした。その先に、arikawaのビジョンである「ものづくりの未来を創る」ことを目指しており、自動化はそのスタート地点にすぎなかったのです。

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